2009年11月27日金曜日

Comsys 09 2日目

 ・拡張インプリサイスタスクの固定優先度スケジューリング(S)
  千代 浩之(慶應義塾大学),武田 瑛,船岡 健司(東芝株式会社),山崎 信行(慶應義塾大学)

   必須,付加 の他に終端タスクを加えた点が,「拡張」ということらしい.
   周期タスクを想定.ジッタの少ないスケジューリング手法を提案.
 
 ・Kumoi:クラウドコンピューティング研究・開発のためのシェル環境の構築(S)
  杉木 章義,加藤 和彦(筑波大学) 

   Scalaでcloud shellを実装,という話.下には既存のサステイナブルXXを使って
   いる.通信はRMI. たとえば,動的にVMの台数を制御するというようなことをする
   場合にそれを柔軟に書けるような枠組み,ということらしい.
 
 ・EDFスケジューリングアルゴリズム向けの軽量なDVFS制御手法
  林 和宏,並木 美太郎(東京農工大学) 
 
   デッドラインスケジューリングを行うシステムで,タスクごとに,CPU周波数を制御
   して,小消費電力を実現.

 ・TOMOYO Linuxの設計と実装
  原田 季栄(株式会社NTTデータ),半田 哲夫(NTTデータ先端技術株式会社),板倉 征男(情報セキュリティ大学院大学)
 
   TOMOYOはカードキャプターさくらからきている.原田知世にあらず.
   プロセス起動履歴をexecに手をいれることで取得している.
   Androidでもうごく!

 ・ファイル操作のシステムコール発行頻度に基づくバッファキャッシュ制御法の提案
  片上 達也,田端 利宏,谷口 秀夫(岡山大)

   普通はLRUでやるバッファキャッシュの制御を,ファイルのシステムコールの発生
   頻度で,重要なファイルをさがして,ファイル単位で制御する,という方式.
   Webサーバとバックアップを同時に実行した場合には性能が上がる,という主張.
 
 ・マルチコアプロセッサにおけるOSによるMMUを用いたスクラッチパッドメモリの管理方式
  佐藤 未来子,磯部 泰徳,並木 美太郎(東京農工大学) 

   スクラッチパッドメモリ ー コア内蔵のメモリ,キャッシュみたいなものだが,明示的に
   データを出し入れしてやる必要がある.OSのメモリ階層の一部として管理する
   アプローチ.FutureというOSに組み込んでいる.SHマルチコアRP1で実行.
   実機でやったというのはすごいな.
   しかし,普通のアクセスパターンだったら,キャッシュでよいだろう.
   逆に,SPMが有効になるような場合は,アプリの情報が無いと難しそう.
   OSで管理するのは無理なんじゃないかな...
 
 ・分散 Key-Value Store である ROMA とその応用例
   西澤 無我(楽天技術研究所)

   Tokyo Cabinet をバックエンドに使っている.
   eventmachine とfiber(co-routine (1.9からはいった))で実装.
   履歴保持に実際につかっている.

 
 ・完全モジュール型リアルタイムLinuxの開発
  加藤 真平,石川 裕(東京大学)
 
 ・CMP上でスレッド間の参照の局所性を活用するコア間時間集約スケジューラの評価
  山田 賢(九州大学大学院システム情報科学府),日下部 茂(九州大学大学院システム情報科学研究院)
 
   

 ・Interactive Application Scheduling with GridRPC
  Sun Hao(TokyoTech),Aida Kento(NII/TokyoTech)

   Ninf-G使ってくれている.

2009年11月26日木曜日

Comsys 09 1日目

 ・Live migration of processes maintaining multiple network connections (40分)
  Gerofi Balazs, Fujita Hajime, Ishikawa Yutaka(The University of Tokyo)

   ネットワークを維持したまま,プロセスマイグレーション.BLCRを利用.
   コネクション確立をパケットを飛ばさずにリプレイすることで,デスティネーション側
   でネットワーク接続状態を再現.


 ・Kemari: 仮想マシン間の同期による耐故障クラスタリング
  田村 芳明,柳澤 佳里,佐藤 孝治,盛合 敏(NTTサイバースペース研究所)

   Xenで,継続的にコピーし続けることで,耐故障化.ページを汚すアプリだと
   最大42パーセント程度の性能低下.ネットワークは10Gでも90%でる.
   性能はネットワークのスループットではなく,レイテンシに依存するとのこと.
   KVMへ移行中.
 
 ・トラフィック量に適応する非対称マルチリンクEthernetトランキング
  米元 大我,塙 敏博,三浦 信一,朴 泰祐,佐藤 三久(筑波大学)
 
   ネットワークトランク機構の改良.+とか,++とか言ってる.

 ・NILFSのLinuxメインラインへの統合
   小西 隆介(NTTサイバースペース研究所)

   どうやったらメインラインに入れてもらえるか!という話. 
   オープンソースとしてのコーディング.読む人のことを考えて
   わかりやすく書け.抽象化しすぎるな.typedefを多用するな.
   キーパーソンにアクセス.時期も重要.
   開発者会議とユーザ会議を使い分ける.LKMLとサブトピックMLの使い分け.
   メンテナに会いに,タスマニアに行ってる!

   リリース後の2週間しか新機能を入れるwindowはない.その後はバグフィックスのみ.

 
 ・ホスト型仮想計算機環境におけるファイル入出力のVFSアウトソーシングによる高速化
  豊岡 拓,新城 靖,齊藤 剛(筑波大学) 

   仮想計算機でファイルを使うと,ゲストのVFSを通ってから,ホストのVFSを通って
   ファイルアクセスをすることになる.これをバイパスすることで効率化する.
   WFSと呼んでいる.
   sendFileのアウトソーシングで,ファイルの内容をVMに読み込まずにネットワークに
   流しているのは面白い.
 
 ・ヘテロジニアスクラスタ向けシングルシステムI/O機能
  清水 正明(日立中研・東京大学),米澤 明憲(東京大学 

   演算ノードと制御ノードがあるヘテロクラスタで,演算ノードのI/Oを制御ノードに
   オフロード.システムコールレベルでフックしている.演算ノードはPS3.
 
 ・WinKVM : 異なるホストOS間のVMライブマイグレーション実現に向けて(S)
  高橋 一志,笹田 耕一(東大)

   KVM VMをLinuxからマイグレーションできるように,WindowsにKVMを移植.
   すごい,動いている.ようだが,かなり遅いらしい.まだ.
   KVMをいじらずに,スタブをかまして,Windows APIに翻訳している.
   visual C++ とcygwin gccを併用.大変そうだ.
   マイグレーションはまだできていない.

2009年11月24日火曜日

Scalable Massively Parallel I/O to Task-Local Files

Scalable Massively Parallel I/O to Task-Local Files
Authors:
Wolfgang Frings  (Juelich Supercomputing Centre)
Felix Wolf  (Juelich Supercomputing Centre)
Ventsislav Petkov  (Technical University Munich)

SC09
並列ジョブが,パラレルファイルシステムにガンガンファイルを作ると,メタデータサーバがボトルネックになる.ので,パラレルファイルシステムの手前に,SIONlibという層をもうけて,一つの巨大なファイルを仮想的に複数のファイルにみせることで,メタデータサーバの負荷を低減する.後ろ向き.

GreenCloud: A New Architecture for Green Data Center

GreenCloud: A New Architecture for Green Data Center 
Liang Liu, Hao Wang, Xue Liu, Xing Jin, WenBo He, QingBo Wang, Ying Chen 
IBM China Research Laboratory, McGill University, University of New Mexico

International Conference on Autonomic Computing  archive
Proceedings of the 6th international conference industry session on Autonomic computing and communications
マイグレーションを使って,省電力.マイグレーションは,ヒューリスティクスで制御.ヒューリスティクスは,評価関数を作って解空間を探索.探索はすごく遅いように見えるが,最適近傍解は300msで得られていると主張.

先進的ではあったのかもしれないが,技術的には特に見るべき点はないような.